欲を整えると、心は少し軽くなります。
けれど、その軽さが、なぜか長く続かないと感じたことはありませんか?
「もう少し頑張りたい」
「もうちょっと良くしたい」
整えたはずなのに、気づけばまた“次の欲”に追われている。
そんな感覚を、私自身も何度も味わってきました。
欲を持つことは、決して悪いことではありません。
けれど、欲を整えただけでは、心が満ちきらない瞬間があるのも事実です。
では、欲を整えた“そのあと”に、本当に必要なものは何なのでしょうか。
欲が出るのは、成長しているから
欲が出ること自体は、決して悪いことではありません。
現状に満足していないからこそ、人は変わろうとします。
「もっと整えたい」
「もっと発信を整えたい」
「もっと、ちゃんとできるはず」
前へ進もうとする気持ちがあるからこそ、“足りない”と感じる瞬間が生まれます。
けれど、変化を求めすぎると、心を休めることを忘れてしまいます。
気づけば「できていない自分」ばかりに目を向けて、いまあるものを見失ってしまうこともあります。
「これでいい」と思えたとき、心は満ちる
欲を整えたあとに必要なのは、「足る」を知る力です。
“足る”とは、諦めではなく、「感謝の視点」を持つことだと私は思っています。
私も暮らしを整えていくうちに、完璧を目指すよりも「今を心地よく過ごせているか」を大切にできるようになりました。
たとえば、今日は家の中が少し散らかっていても、家族が笑っていれば、それでいいと思えるようになりました。
思うように進まない日があっても、小さな一歩を踏み出せたなら、それでいい。そう感じられるようになりました。
ないものを数えるより、あるものに気づくこと。
その積み重ねが、暮らしにも心にも、穏やかな“間(ま)”をつくっていきます。
“足る”を知ることは、選ぶこと
何かを求めるたびに、何かを手放す選択があります。
“足るを知る”とは、その選び方の質を整えることだと感じています。
私も「もう少し頑張ろう」と思うたびに、「それは本当に、いま必要なのか」と自分に問いかけるようになりました。
すると、頑張り続ける力よりも、整った状態を保つ力が育っていきました。
“足る”を知ることは、行動を止めることではありません。
自分にとって本当に必要なものを選び取る力を磨くことなのだと思います。
そう気づいたとき、不思議と、心に余白が生まれました。
“足る”を知ることは、諦めではなく、自由のはじまりです。
