自分自身の「物欲」はコントロールできても、家族の“物欲”や“収集欲”に心がざわつく瞬間って、けっこう多い気がします。特にパートナーが“コレクター気質”の場合、家計・収納・暮らしの空間にも影響が出てくるもの。
でも「好きなものを集める」という行為そのものは、決して悪いことではありません。
今回は「物欲」と「収集欲」の違い、そして“集めすぎる夫”とうまく向き合うためのヒントを、私自身の体験を交えてお話しします。
「物欲」は“欠けを埋めたい”気持ち
物欲は、心の中の“足りない”を埋めようとするエネルギーです。
「もっと良く見られたい」「安心したい」「満たされたい」──そんな感情を、モノを通して補おうとすると、買っても買っても満たされない感覚が続きます。
物欲が強く出る時は、自分の中の“欠乏”が刺激されているサイン。どれだけ手に入れても心の奥が満たされにくいのは、このためです。
「収集欲」は“自分の世界を育てたい”気持ち
いっぽうで収集欲は、「集めることで自分の世界をつくりたい」というエネルギーです。
夫を見ていて、ぶt違いに気づきました。
スニーカー、Gショック、CD・DVD、レコード、ゲーム、ラジコン、トイ・ストーリー、ガンプラ、スター・ウォーズ…。どれも“シリーズ性”“限定感”“ストーリー性”があるものばかり。少年の頃に感じていたワクワクを、大人になっても大切にしているのだと思います。
夫にとっての収集は“現実逃避”ではなく、世界観を守り、心の安定を保つための「癒し」。
物欲とはまったく別の方向を向いているのです。
「整えたい側」にできること
もちろん、「もう少し減らしてよ…」と言いたくなる気持ちは私にもあります。でも、集めすぎてしまうのは“安心したい気持ち”の表れかもしれません。
整えたい人と集めたい人は、方向が違うだけで、どちらも“自分の世界を大切にしている”のだと思うのです。
無理に止めようとすると、お互いが苦しくなってしまうからこそ、否定ではなく“理解”から入ることが大切です。
💡整えたい側ができる3つの工夫
① 「使う・飾る・しまう」のゾーンを分ける
全部を一度に出すと散らかって見えますが、飾る量を決めれば“見せる収納”に変わります。
② “予算”と“スペース”に上限を決める
増えてもいいけれど、どこまで増やすかは共有して決めておく。枠があると双方が心地よく保てます。
③ 数ではなく“意味”にフォーカスする
どれが一番好き? どんな思い出がある?
話を聞くことで、モノが“心の一部”として理解できるようになります。
「集めすぎる」は、悪いことじゃない
私も何度も「もう少し減らしてよ〜」と思いました。でも、夫がモノを集めている姿には、どこか“人生の喜び”のようなエネルギーがあります。それを否定するのは、きっと違う。集める理由を理解できたとき、整えたい側のストレスもふっと軽くなるのです。
相手を変えようとしないことが、
いちばんの“整え”になる。
