整えことば

整え続けた一年ではなく、戻り続けた一年だった|年末の記録と心の整え方

ノートを持って考えごとをする人物。整えことばの世界観を表したイメージ

2025年を振り返ってみて、「成長できた一年だったか」と聞かれたら、正直、はっきりとは答えられません。何かを大きく前に進めた実感も、分かりやすい成果も、胸を張って語れる変化も、多くはありませんでした。

それでも、ひとつだけ。確かに言えることがあります。今年の私は、整え続けていたというより、何度も「わたしに戻ってきた一年」でした。

整えるより、戻る時間だった

今年、いちばん大きかった変化は、何かを新しく始めたことではなく、いくつかのものを、そっと手放したことでした。

長く続けてきた発信の形を手放したこと、がんばっている自分でいようとする癖、ちゃんとしている人でいようとする意識。

それらを手放すことは、諦めることでも、投げ出すことでもなく、これ以上、自分から離れないための選択だったように思います。

手放したのは、前に進むためじゃなかった

整えることは、前に進むためのものだと考えていました。暮らしを整え、思考を整え、感情を整えれば、もっと軽やかに、どこかへ行けるはずだと。

けれど今年は、整えれば整えるほど、不思議と「前」ではなく「内側」に戻っていく感覚がありました。

立ち止まること、何もしない時間を許すこと、うまくできない自分を、そのままにしておくこと。それらは一見、後退しているようにも見えますが、今ならわかります。あの時間は、自分自身から離れなかった時間だったのだと。

前に進めなくても、離れていなかった

言葉を書く時間も、暮らしの中での小さな選択も、すべてが同じ方向を向いていました。

前へ進むためではなく、自分の感覚に戻るため。急がないこと、効率より安心を選ぶこと、できない日を責めないこと。それらはすべて、「ちゃんと進むため」ではなく、「ちゃんと戻るため」の選択でした。

この一年、とても身近な存在からも、たくさんのことを教えてもらいました。

元気な日もあれば、そうではない日もある。思うようにいかないことのほうが、きっと多い。それでも、今日を生きていること、そばにいること、見守ること。何かを良くしようとしなくても、「一緒にいる」だけで成り立つ時間がある。その感覚は、わたしの中の「がんばらなくていい基準」を静かに書き換えてくれました。

また、ここからでいい

今年は、前に進めなかった一年だったかもしれません。けれど、戻れなくなった一年ではありませんでした。迷った時に戻れる場所があること、自分の感覚に立ち返れること。それを知れた一年だったと思います。

来年、どんな一年になるかは分かりません。また迷うかもしれないし、立ち止まる日もきっとあります。それでも、思い出せばいい。わたしは、戻ってきていい。何度でも。今年が教えてくれたのは、その確かさでした。

もし、この文章をここまで読んでくださったあなたが、「今年、あまり前に進めなかった」と感じているなら、それはきっと、ちゃんと立ち止まった一年だったということ。そして、ちゃんと生きてきた一年だったということだと思います。

また、ここからでいい。静かに、自分のほうを向きながら。

ABOUT ME
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京都を拠点に、片づけ・暮らし・内面のサポートを行っています。空間だけでなく、思考や感情まで “まるごと整える” ことを大切にし、これまで多くのセッションや講座で、その人に寄り添った整えをお届けしてきました。「自分の感覚で選べる暮らし」をテーマに、講座・noteを通じて発信を行っています。